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派遣医師報告 | バングラデシュ出張報告

2018年度 JBMA派遣医師団報告

(2019年2月24日~3月1日)
東京女子医科大学八千代医療センター形成外科科長・教授
日本・バングラデシュ医療協会理事(広報担当)
竹内 正樹

 日本・バングラデシュ医療協会(JBMA)が支援している医師交流プログラムにより、これまで計14名のバングラデシュ医師が東京女月28日(木)(3月1日帰国)の日程で行いましたので報告させて頂きます。子医科大学病院での研修を行っています。日本から医師を派遣し、現地の臨床指導を行う第2のミッションを遂行していくため、第5回目のダッカ医科大学・国立形成外科熱傷センター (National Institute of Burn and Plastic Surgery, Dhaka Medical College & Hospital) 訪問を、2018年2月24日(日)~2月28日(木)(3月1日帰国)の日程で行いましたので報告させて頂きます。

 渡航直前の2月20日夜に、首都ダッカ旧市街で大規模火災が発生しました。少なくとも70人以上が死亡、40名以上の負傷が (2月22日現在) が確認されており、大変痛ましい事故となりました。同センターにも9名の患者が搬送され、すでに3名が亡くなったとのことです。この場をお借りして、犠牲者の方々に謹んで哀悼の意を表します。


写真左:火災後のダッカ旧市街(チャウクバザール)
写真右:ダッカ医科大学形成外科熱傷センターICUユニットと搬送された被害者
 幸い、我々が到着した時点ではダッカ市内に大きな混乱はなく、施設も通常の業務体制になっておりました。

 2019年2月24日、東京女子医科大学形成外科の長谷川祐基医師、仲本寛医師とともに成田空港を出発し、タイ経由で同日深夜にダッカに到着しました。ダッカシャジャール国際空港では、2016-2017年の留学生であるDr.Zakariaが出迎えをしてくれ、宿泊先のパンパシフィック・ショナルガオン・ダッカホテルへ向かいました。

 翌2月25日、ダッカ医科大学形成外科へ向かい、Kalam教授の出迎えを受け我々のミッションがスタートしました。

【活動スケジュール】

25日(月)患者診察、手術:右頬部~上口唇皮膚欠損(40歳女性)に対するCheek flap + 下口唇反転皮弁による再建

26日(火)手術:会陰部熱傷後瘢痕拘縮(2歳女性)に対する、前外側大腿皮弁による再建

27日(水)モーニングレクチャー(竹内:Lower lip reconstrcution、長谷川:Craniosynostosis)、建設中のSheikh Hasina National Institute of Burn and Plastic Surgery見学、Bangladesh Japan Institute of Radiology & Imagingでの技術指導

 まず、渡航前の打ち合わせで手術候補としていた患者さんを診察し。治療方針を決定しました。また現地スタッフから手術候補以外の患者さんの治療方針について意見を求められ、アドバイスを行いました。

 手術は現地のバングラデシュ医師も助手として参加し、協力して行いました。研修医を含む多くの医師が手術に参加し、みな熱心に学んでいました。
 モーニングカンファランスにはKalam教授をはじめとする多数のスタッフとレジデントが参加し、前日行われた手術症例の振り返りを行っていました。またこの時間に竹内と長谷川の2名がレクチャーを行い、活発な質疑応答がなされました。
 ダッカ医科大学以外の施設として、Bangladesh Japan Institute of Radiology & Imaging を訪問しました。責任者は今年6月に東京女子医科大学に短期留学していた放射線科医師のDr. Salahuddin Al Azadで、彼は現地の医師や技師に対して定期的な技術指導を行っているそうです。同施設で、下肢静脈疾患に対するエコー検査の技術教導を行いました。

 数年前に建設が始まったシェイクハシナ国立形成外科熱傷研究所病院(Sheikh Hasina National Institute of Burn and Plastic Surgery)ですが、今回現地スタッフ案内のもと、施設内を見学させていただきました。15階建ての巨大な建物は、すべて形成外科・熱傷患者さんのための施設となっています。工事は順調に進行しており来年度からの運用が予定されているとのことで、次回のミッションは新病院でできるかもしれません。





 最終日はJBMA現地事務局長シェイク先生がアレンジしてくださり、研修を終えたフェローの先生方に加え、在バングラデシュ日本国大使館の医務官をされている井上先生をお招きし、夕食会を行いました。
  今回は実働3日間と、期間が限られた中での活動となりました。新病院建設間近という明るいニュースがあった一方で、大規模火災による多数の被害者がでており、現地における形成外科的治療のニーズを改めて感じた次第です。 Kalam教授を始め現地スタッフから、継続した支援を求める声をいただきました。引き続きJBMA医師団がバングラデシュ訪問をする予定ですので、よろしくお願い申し上げます(今回のダッカ滞在では、Saneat先生、Zakaria先生に大変お世話になりました)。

 最後になりましたが、今回の渡航に多大なるご支援を賜りましたJBMAの設立会員ならびに施設館会員である企業各社および関係者の方々に厚く御礼申し上げます