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派遣医師報告 | バングラデシュ出張報告

2017年度 JBMA派遣医師団報告

(2018年2月24日~3月2日)
東京女子医科大学八千代医療センター形成外科科長・教授
日本・バングラデシュ医療協会理事(広報担当)
竹内 正樹
 日本・バングラデシュ医療協会(JBMA)が支援している医師交流プログラムにより、これまで計11名のバングラデシュ医師が東京女子医科大学病院での研修を行っています。日本から医師を派遣し、現地の臨床指導を行う第2のミッションを遂行していくため、第4回目のダッカ医科大学形成外科熱傷センター(National Institute of Burn and Plastic Surgery, Dhaka Medical College & Hospital)訪問を、2018年2月24日(土)~3月1日(木)に行いました(3月2日帰国)の日程で行いましたので報告します。

 2017年2月24日、東京女子医科大学形成外科の長谷川祐基医師、国立病院機構災害医療センター形成外科の橋本一輝医師とともに成田空港を出発し、タイ経由で同日深夜にダッカに到着しました。ダッカシャジャール国際空港では、JBMA留学生であったDr.Saneat (2015-2016年)とDr.Zakaria(2016-2017年)が出迎えをしてくれ、現地でのスケジュールを確認した後、宿泊先のパンパシフィック・ショナルガオン・ダッカホテルへ向かいました。

 翌2月25日は、ホテルからダッカ医科大学形成外科へ向かい、Kalam教授の出迎えを受け、我々のミッションがスタートしました。

【活動スケジュール】

25日(日) 患者診察、手術:熱傷後膝関節瘢痕拘縮(60 歳女性)に対する膝窩・後大腿筋膜プロペラ皮弁による再建術。

26日(月) モーニングレクチャー(竹内:Extended Lower Trapezius Island Myocutaneous Flap Based on the Dorsal Scapular Artery)。手術:片側完全唇顎口蓋裂 (生後3 か月男児) に対する口唇外鼻形成術。

27日(水) 手術:電撃傷による後頭部・右肩部骨露出を伴う皮膚欠損創(25 歳男性)に対する、僧帽筋皮弁+広背筋皮弁による再建術。

28日(木) モーニングレクチャー(長谷川:Vascular anomalies)。手術1 件目:右下腿皮膚欠損創(11 歳男性)に対する、腓腹神経を温存した遠位茎腓腹筋膜皮弁移植術。手術2 件目:骨露出を伴う後頭部皮膚欠損創(30 歳男性)に対する、僧帽筋皮弁+広背筋皮弁移植術。

 まず、渡航前の打ち合わせで手術候補としていた患者さんの診察し。治療方針を決定しました。これまでは新鮮外傷後の組織欠損・瘢痕拘縮や、唇裂を中心とした未治療の先天異常児などが主な患者さんでしたが、今年はそれらに加えて、外傷により損なわれた手指運動機能の改善や、口蓋裂術後の口蓋鼻腔瘻孔など、より高いレベルでの治療を希望する患者さんが増えている印象でした。また現地スタッフから手術候補以外の患者さんの治療方針について意見を求められ、アドバイスを行いました。

 手術は、現地のバングラデシュ医師も助手として協力して行いました。研修医を含む多くの医師が手術に参加し、みな熱心に学んでいました。
 モーニングカンファランスにはKalam 教授をはじめとする多数のスタッフとレジデントが参加し、前日行われた手術症例の振り返りを行っていました。またこの時間に竹内と長谷川の2 名がレクチャーを行い、活発な質疑応答がなされました。
 最終日は、JBMA 現地事務局長シェイク先生がアレンジしてくださり、日本での研修を終えた先生方を交えた夕食会が催されました。
 

今回は実働4日間の活動で、外傷後の再建に加えて本活動では初めて口唇裂の患児に対する手術を行いました。また1 例はダッカ医科大学で執刀された症例に対するリカバリ手術だったため、スタッフの先生方にも大いに関心を持って学んでいただけたと思います。同施設は形成外科的治療をもとめる患者さんであふれかえっており、 Kalam 教授を始め現地スタッフから、継続した支援を求める声をいただきました。引き続きJBMA 医師団がバングラデシュ訪問をする予定ですので、よろしくお願い申し上げます (今回のダッカ滞在では、Saneat 先生、Zakaria 先生に大変お世話になりました)。

 最後になりましたが、今回の渡航に多大なるご支援を賜りましたJBMA の設立会員ならびに施設館会員である企業各社および関係者の方々に厚く御礼申し上げます。